がん治療中にぜひ続けてほしい食事 免疫の低下、免疫の異常を早く正常化するために必須

(この記事の執筆責任者：管理薬剤師　西口一志）

がん治療中にぜひ続けてほしい食事

免疫の低下、免疫の異常を早く正常化するために必須

 

がんに罹患し、がん治療している時の自身の免疫は、がん細胞が増殖する働きを抑えられない状態になっています。がん細胞が免疫細胞を操っている状態です。

免疫力低下、又は、免疫にブレーキをかけられた状態です。

●がん治療中の免疫力低下、免疫異常にいち早く、しかも全身へ一気に効果あるのが、腸管内の免疫細胞です。

免疫細胞の司令塔が集まっています。（腸管免疫）

 ここには免疫細胞の中でも、体内の異常を察知するとその情報を全身の免疫細胞に一気に伝え、免疫網にスイッチを入れる役割の細胞が多く集まっています。

 ここの働きが回復し正常化することによって、徐々にではなく、一気に免疫細胞が本来の働きに回復しがん細胞を抑えることも解かってきています。

 これらの腸管内の免疫細胞から全身へサイトカイン、エクソソームなど体内伝達物質が全身へ一気に放出されるのです。

 

●この腸管内の免疫改善に効果的な食事を優先順に

  

①主食と言われるでんぷん質、炭水化物。（お米・雑穀など穀類、イモ類、豆類など）

   （善玉菌に一番必要な餌になります。）

  

②水溶性食物繊維。（海藻・長芋・オクラなどネバネバ食材）

   （短鎖脂肪酸を増やす。がん悪化する人の腸内にはこの短鎖脂肪酸が少ないことも解かっている。）

  

③キノコ類。（しいたけ・舞茸・きくらげ・ししょくひんめじ・エノキ・なめこ・エリンギ　など）

   （免疫機能に必要な多糖類や水溶性食物繊維が多く含まれている。）

  

④抗酸化作用の食材・アルカリ性食材。（緑黄色野菜・旬の果物・梅干し・酢の物など）

   （がん進行・再発・全身転移の要因である炎症化を改善していく。）

 

⑤ω３系の油（亜麻仁油・えごま油・シソ油・インカインチオイルなど）

   （細胞膜の脂肪酸の状態を良好にして、がん進行・免疫能悪化を食い止める働きに必要。）

 

●腸管内の免疫悪力化をまねく注意すべきこと

 

①過度な糖質制限、たんぱく質過剰摂取（腸内菌の環境悪化・炎症傾向を促進し、がん悪化をまねく）

最近のブーム的な食べ方は止めてください。特にがん治療中は致命的になってしまいます。

この一時ブーム的な食仕方は免疫にとっても健康にとっても良くないことが結果として世界中の多くの研究データで示されています。

 ②食品添加物をなるべく避ける。

特に人工甘味料（アスパルテーム・スクラロース・アセスルファムKなど）

カロリーオフなどに使用される人工甘味料を摂っていると腸内細菌のバランスを壊して、免疫細胞の正常な働きを奪ってしまいます。がん治療中は特に影響力大です。

 

●腸管免疫の改善に行ってほしい事

   ①腸をなるべく動かしてほぐす。

 手でお腹を圧をかけながらさすったり、ぐぅーとお腹を押し込んで適度に揺さぶったり、腹式呼吸で凸凹したり、ストレッチ体操でお腹周りを動かしてください。

 腸は本来は軟体物みたいにとても柔軟に柔らかく伸び縮みして良好な状態を保っています。

しかし腸内環境などの状態が悪くなってくると、ガスや便が溜まったり、腸自体がむくんだり・腫れたりして張ってきて硬くなってきます。そうなると腸内環境は増々悪化し、腸内の免疫の働きは悪化してしまいます。

　特にがん治療中は、抗がん剤などで腸内環境は相当なダメージを受け悪化しています。

食事の効果を発揮するためにもなるべく外からも揺り動かしてほぐすようにしてください。

 

  ②天然生薬・天然免疫商品・漢方薬の服用。（基礎研究でしっかり有効データが示されているもの）

 がん治療中の腸管免疫の改善に欠かす事が出来ないものです。特に抗がん剤治療中はとても大切です。

 抗がん剤の副作用により腸管免疫はかなりのダメージを受けています。ここが良い状態を保てないと、どんなに抗がん剤でがん細胞を叩いたとしてもその後また再発・全身転移してしまいます。

 正しい食事と一緒に服用する事で、よりがんの再発・全身転移の防止につながってきます。